♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
体育の授業は、仲間外れにされるとかなりキツイ。

早く終わってほしいと思っていた授業が、やっと終わる。

あたしは床に落ちていたボールを拾い上げて、体育倉庫へ向かう。



「あっ、美月!」

あたしと同じく、ボールを抱えて歩く愛菜。

サバサバした愛菜の笑顔に、正直ホッとした。

「…あたし、片付けとくよ」

「さすが美月!サンキュ」

勢いよくパスされたボールをなんとか受け取って、苦笑いするあたし。

両手でボールを抱えて、体育倉庫に入る。

人の目がない体育倉庫は、なんとなく落ち着く。

あたしはうつむいて、大きくため息をついた。



「みぃちゃんも片付け中?」

薄暗い体育倉庫に、明るい声が響く。



あたし、一瞬素になってた…

慌てて笑顔を作って振り返る。
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