♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「ごめん、健太」

「みぃちゃん…」

頭を下げてハラハラ涙をこぼすあたしの手を、健太はギュッと握る。

あたしは、うつむいたまま小さく首を振った。



「健太のこと、嫌いじゃない。だけど…
健太の彼女にはなれない」

涙をこらえて、小さく肩で息を吸う。

あたしは止まらない涙を、両手でぬぐった。



「健太は…あたしにとって、大切な幼なじみなんだよ」

ずっと変わらず優しい幼なじみだから、ちゃんと言わなきゃいけない。

あたしは、ゆっくり視線を上げる。



「あたし…やっぱり、瀬戸内が好き」
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