♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
ぼんやり景色を眺めているあたしの肩に、瀬戸内の手が回される。



「瀬戸内…」

さっきのことを思い出して不安になる。

思わずビクッとしてしまった。



「もう何もしねぇよ…」

小さくなってるあたしに、瀬戸内は目を細める。

その優しい声に、彼なら信じられる気がした。



遠慮がちに、瀬戸内の肩に寄りかかる。

瀬戸内は、そんなあたしをそっと抱き寄せた。



あったかい腕の中で、あたしは決めた。

あたしの初めては、彼にあげようと思う。



あたしは瀬戸内の胸に寄りかかって、ぬいぐるみをギュッと抱きしめた。
< 28 / 259 >

この作品をシェア

pagetop