♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「…じゃあ、どうして別れたの?」

唯香ちゃんから、本当のことを聞くのが怖い。

あたしは、唯香ちゃんと目を合わせることができなかった。



「あたし、怖かったんだ。貴斗がどんどん離れてくのが…」

悲しい目で遠くを見上げる唯香ちゃん。

「貴斗、全寮制の男子校に入って、全然会えなくなって…

あたし、ずっと不安だった」

唯香ちゃんはうつむいて、しばらく考えこむ。



「あたしは毎日声聞きたいし、会いたいし…

貴斗モテるから、他の子と仲良くしてるんじゃないかって心配だった。

あたし…自分のことで精一杯で、貴斗のことまで考えてあげられなかった」

唯香ちゃんの言葉を聞くのが辛い。

あたしも彼女の隣でうつむく。



「会ってもケンカばっかりで、もう駄目だって思った。

貴斗に嫌われたんじゃないか…
貴斗から別れようって言われるんじゃないかって、不安だった」

一気に話してた唯香ちゃんが、言葉を止める。



「だから…
あたしからふったの」
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