近すぎて、遠すぎて。

海斗Side



「え…?」



そう発したのは、心じゃなくて俺。

思わぬ自分の行動に驚いた。



「海斗…?」



俺は心をばっと離した。



「あ、いや…その…わりぃ…」



恥ずかしい。



「いやっ別に!?」



「ごめん…」



「いや………あの…」



心が言いたいことすぐ分かった。

好きの意味、聞きたいんだろ?



「……違うから。安心して」



逃げたんだ。
フラれるのが怖くて…。
怖すぎて。

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