近すぎて、遠すぎて。

夢Side



あたしは裕と偶然会って、しゃべっていた。

その時、裕に電話が鳴った。
あたしも、同じタイミングに鳴った。

裕はうみとから、
あたしは心から。



「もしもし」



「夢っ!?あたしねっ…あたしっ」



泣いてんのか…?



「なに?」



「海斗と…海斗と付き合うことなりました…あのっ…好きって…付き合ってって言ってくれて…いや…夢かもしれないけど…でも…」



声でわかる、電話越しの心の表情。
泣いたり、笑ったり、悩んだり。



「おめでとう!よかったな。また、詳しく聞かせて」



「うんっ!ありがとう!」



あたし返事も待たず切られた。

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