近すぎて、遠すぎて。


「だよな…」



「顔はいいくせに中身すっからかんだな、このくそっ」



そういいながらうみとのほっぺを両手でつまんだ。



「いってっ!!」



「んじゃあね。」



ぱっと離した。



「いってーっ!」



叫ぶうみとを無視し片手をあげて玄関を開けた。



「なぁ」



その場に立ち止まり、振り返った。



「裕の味方的な発言多かったから気になったんだけど…裕のこと好きなわけ?」



は?
んなことあるわけないじゃん。
裕の味方的な発言て…
あきらかにお前の味方にはつけねぇだろ。



「好きだよ?」



「やっぱ」



「友達としてね。じゃ」



やっぱりと言おうとしたあいつの言葉を遮って答えた。
そして玄関の戸を閉めて帰った。
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