あたしはモデル。②(修正版)




「大丈夫か?桜。


あいつに何された?」



中村さんを睨みつけた後、ヒロトは心配そうに聞いてきた。




答えようと思っても、しゃべれない。


私の体がガクガクと震えるのが分かった。





やだ…



お願い…



たすけて…





あの忌まわしい事件がよみがえった。



お兄ちゃんを失った恐怖


狂ったような声




---犯人に強く掴まれた、私の腕






「…や…だ……」



ガタンッ



「さくらっ…!!!」






ヒロトの声を最後に、私の意識は途絶えた。





< 64 / 136 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop