あたしはモデル。②(修正版)


そう言って拓夢は首を傾げて私をじっと見つめてきた。


いつもはしない仕草。熱のせいで少し潤んだ目に見つめられて、顔が熱くなるのがわかった。



か、かっこいい…。いや、どっちかっていうと可愛いかも…





「桜?」


「……えっ!?

あ、うん。今日は仕事オフだし、それくらいさせて?」



「…やべ。すげぇ嬉しい。
でもマジで、風邪移んなよ。絶対。」



「…っ、わかったから、早く寝てきて!キッチン借してね!」


赤くなった顔がバレないように、拓夢の背中を押した。




歩き出した拓夢の後ろに着いていきリビングに入った途端、私は目を見開いた。


ホテルのスイートルーム並みの広さに、大きな窓。夜景を見たらきっと綺麗だろう。




「すごく広いね。それに綺麗。」



家具はほとんどが黒と白で揃えられていて、とても綺麗に整頓されている。


私の家より綺麗だし広い。




「キッチンは、あれな。

じゃあごめん、俺寝てくる。


……もし帰るときはこれで戸締まりしといて。」



そう言って拓夢はテーブルに何かを置き、私の頭を軽く撫でてから、少しふらついた足取りでリビングを出ていった。





< 8 / 136 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop