寂しがり屋には愛情を。

「ま、これから人生長いんだからさ、高校最後の1年くらい短いもんよ。

校則破りたい気持ちもわかるけど、今は黒髪にしておいて損なことはないと思うよ。


それに、ひぐち君、黒髪すっげー似合いそうだし!」


な!!っと笑いかけると、コクンと頷くひぐち君と、隠そうともせず爆笑する西野くん。



なんでコイツはさっきから笑ってンだ。



「こら西野。さっきの問題解けたんか?」

「ん、全然わかんなかったから教えて。」


まだ目に涙をためてヒーヒー言いながら教科書を向けてくる。


教えてだなんて…かわいいところあるじゃんよ!



「オレ、今日は帰るね。用事できたし。」


「そっか、気を付けてねー。」



ひぐち君が出ていくのを見届けると、また西野くんが笑ってる。

だから、なんだっつーの。


「のぞみセンセ、すげーね。和樹をも従えるとは。」


「は?何て??」


「んーや、明日が楽しみだー。」



翌日。

ひぐち君が爽やか黒髪で登校したことに学校中が騒ぎ立てた。


……ひぐち君も有名人クラスのヤンキー君だったんだね!!




< 49 / 258 >

この作品をシェア

pagetop