Distance of LOVE☆

愛の結晶

それから数週間経ったある日のこと。


ホントに…油断できなくなってきていた。


いつ…子供が産まれてもおかしくない状況…らしい。

僕はね?
かなり心配なの。

大変じゃん?

僕が仕事行ってる間に陣痛きたらどうする?
とかね。

考えちゃうワケ。


「じゃあ、僕は仕事行ってくるけど…
一人で出歩くなよ?」


「わかってるって。
…もう…和ったら、ホント過保護。」


拗ねたように頬を膨らませながら返事をするゆづ。


「何かあったら電話しろな?」


僕の言葉にゆづが頷いたのを確認してから家を出た。


今日は外回りの仕事だ。

ただの外回りじゃない。

ゲームのキャラクターに声を吹き込んでくれる声優さんを探しにいくの。


その途中のことだった。


"その時"は、突然訪れたんだ。


まだ声優さんにコンタクトをとれてすらいないときに、電話が鳴った。
プロデューサーさんからだ。


『……和之か。
今、病院から連絡が入った。
子供さん、産まれそうだとよ。
行ってこい。
残業代から立ち会いにかかった時間分の給料、引いといてやるから。』


「あ…ありがとうございます!!」


急いでタクシーを拾って、ゆづのいる病院に向かった。
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