碧眼の天姫―刀の後継者

刃の重さ



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―ジャー……


あたしは洗面所にある鏡を見つめたままぼーっとしていた。


氷鬼を滅し、これから先も刀を振るう。


そしていつかは……


火鬼と対峙する事になる。氷鬼を相手にするだけであの様だったんだ…


火鬼は天姫が命懸けで倒すべき相手。


今のあたしは今までの天姫とは違う。


鬼でもあるんだ……
あたしに火鬼を倒せるだろうか…



『無理よ、だってあなたは鬼だもの』

「!!!」


鏡の中のあたしがそう告げた。


あたしは慌てて鏡から距離を取る。


『あたしは鬼…火鬼と同じ鬼なのよ?』


嫌…何…これ………


鏡の中のあたしは紅い瞳をしていた。


天姫である証の碧い瞳では無い紅の瞳。


これは……鬼のあたし…?






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