きら星の短編集
今は、高校2年生の9月。



夏休み明けで、私の嫌いな夏服の季節。



「じゃあ、学級役員と委員会を決めるぞ。」



新しい学期の恒例行事が行われている。



「亜美(あみ)。何にする?」



隣の席で、数少ない友達の1人の恭子(きょうこ)が尋ねてくる。



「うーん……楽そうだから、図書委員がいいかな。」



「あ、いいね!クーラーが効いたところで、当番してるだけでいいし。」




図書委員は楽なはずなんだけれど、何故か人気がない。



長期の休みや、土曜日も、当番制で何回か出てこないといけないところが、少し関係してるのかなと思う。



「じゃあ、次。図書委員2人。やりたい人?」



すかさず、私と恭子が手を挙げる。



「3人か。じゃあ、ジャンケンだな。」



……3人?



私が不思議に思って辺りを見ると、私が一番苦手な男子が手を挙げていた。



「じゃあ、伊藤(いとう)と田島(たじま)と岡本(おかもと)か。ジャンケンしろ。」



岡本 翔(おかもとしょう)。



顔はカッコいいけれど、髪は茶髪で、制服のはいつもだらしなく着崩して、あまりいい印象はない。



「じゃあ、行こう?亜美。」



私は恭子と共に席を立ち、3人でジャンケンをした。



「じゃあ、伊藤と岡本、図書委員に決まり。」



……最悪だ。

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