きら星の短編集
「現行犯の瞬間。先生でも警察でも呼べるよ。」




僕がそう言うと、森下は悔しそうな表情を浮かべて、屋上を去っていった。




「……大丈夫?」




震えている僕の大切な人。




「……ありがとう。」




……僕はこの笑顔を独り占めできないんだ。




「……無事でよかった。じゃあね。」




……これで、この恋も終わりだな。




「……待って。」




彼女はそう言って僕の手を握った。




……胸の鼓動が速くなる。

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