【完】そばにいるだけで



Hすることだって、自分の身近なこととは思えないのに、ましてや妊娠なんて。



簡単に信じられるはずがない。



しかも自分のクラスメイトかもしれない、だなんて。



「まさか、聖菜じゃないわよね?」



瑞希がじろりとわたしを見る。



「そ、そんなわけないでしょう」



そう言うと、瑞希はさらに声を潜め。



「だよね。……なんか噂ではさ、三郷さんなんじゃないかって。前から良からぬ噂、いろいろあったじゃない」



「あっ」



その一言で、この前の三郷さんの横顔が頭をよぎった。


< 158 / 207 >

この作品をシェア

pagetop