【完】そばにいるだけで



「そしたら、その……」



桐生くんはそこまで言って、少しためらった。



そして。



「僕のために、どんどん、かわいくなっていったから……」



桐生くんの声は、どんどん小さくなっていった。



一方、わたしの顔は一気に赤面した。



あの時、全部聞かれてたんだ!



桐生くんのことが好きだってことも、



気をひくためにイメチェンしようとしてたことも、



全部バレバレだったんだ!



わたしは、今まで自分がしてきたことを思い出して、もう顔を上げられなくなっていた。


< 69 / 207 >

この作品をシェア

pagetop