【完】そばにいるだけで
電車を下りて、学校までの道を二人並んで歩く。
みんなに埋もれて何気なく歩いていたこの道も、桐生くんが隣りにいると、ますます伏し目がちになってしまう。
目立つ桐生くんの隣りにいると、否応にもわたしまで目立ってしまうからだ。
視線を感じる。
別に悪いことは何もしていないけれど、注目を浴びたくないわたしにとってはあまり居心地が良くない。
だけど。
それでも、桐生くんの隣りにいたいから、並んで歩いているのだけれど。