Rain 2
もう人に期待することをやめようと思った。



何をしたって意味がない。


あたしは…
選ばれなかったんだ。




聖夜にとって大切なのはあの子だった。




でも何で?

あたし何か悪いことした?

聖夜の嫌がるようなこと…

一つでもしたのかな?




何が足りひんかった?

何があかんかった?

何が…





あんなに最低な男なのに、あたしの頭の中はまだ聖夜でいっぱいだった。




でも…

そんなことを考えていたあたしの耳に飛び込んできたのは信じられない言葉だった。





あたしはまだ動いちゃダメだと言われていたけど、本でも買おうと朝から売店に行ったら、看護婦さん達が慌ただしく動いていた。




どうしたんやろ?

何かあったのかな?



あたしは特に気にもせずに病室へと戻った。




でも、しばらくすると千春さんが慌てた様子で病室に入ってきた。



『どしたんですか?』


『知香ちゃん…せ…聖夜くんが…』



それからの言葉は、あまり覚えてない。


ただあたしは走ってた。

スリッパもはかずに裸足で病室を飛び出してた…。

おなかの痛みなんて忘れるぐらい必死だった…
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