Ｒａｉｎ ２

『うーうん…お母さんが突き落としたんやと思う…あの子に検査受けてもらうために…。赤ちゃんがいなくなったら受けれると思ったんやと思う…ごめ…んっ…ぅ…』


『泣くなって…俺も知香ももう済んだことやと思ってるから』




泣いている香織を聖夜はひたすら慰めていた。

泣きたいのはあたしのほうやわ…








『結婚…すんねやろ？』


香織が泣きながら聖夜に聞いた。


『分からん…。正直言って子供できた時は嬉しかったし結婚して幸せにしたろうと思ったで？でも…こんなお前見てたらもうそんなん考えられへんわ…』






聖…夜？

どういう意味？


あたしを幸せにするって言わんかった？



赤ちゃんがいなくなっても言ってくれたやん…


『幸せにしたる』って…。



約束してくれたやん…






あたしは逃げた。


その場にいることができなかった。



どうしていいのか…分からなかった。