Rain 2
『でもどうなるかは分からんよ。それで記憶が戻るかもしれないしそのままかもしれん。それをちゃんと受け入れることできる?』



あたしは黙ってうなずいた。



千春さんはあたしに何が言いたいのかが分かった。



もし仮に記憶が戻ったとしても、聖夜はまた苦しむことになるんだ。





でももう一回…


もう一回だけ考えてもらいたい。



それで香織を選んだならあたしはもう身を引こう。


スパッと断ち切ろう。






『行ってきます』



あたしは千春さんと一緒に病室を出て聖夜の病室へと一人で向かった。
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