Rain 2
『あの…俺…』


『思い出してぇや…』


『え?』


『お願いやか…思い出してよ…ぉ…』



気付けば泣いてしまってた。



目の前にいる聖夜とあたしの間には、越えることのできない壁があるように思えて…






『ごめん…。あの…俺って記憶喪失なってんの?思い出したいねんけど…なんかこのイルカのストラップ見る度に頭痛なるねんやん…』


『あたしは…このストラップ見る度に聖夜を思い出してた。一緒におった時間…が…忘れられへんねん…』




聖夜は困ってた。






またあたしは聖夜を困らせてた。





苦しくなるくらい…
聖夜は悲しそうな顔をしてた…。
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