Rain 2
『でな、そんな一つ一つの出会いには全部大事な意味があると思うねん。例えそれがいい出会いでも悪い出会いやとしても』



『うん…』



『数えきれへん出会いがある中で人を好きになったり幸せ感じたり…大事にしたいって思える人を見つけるわけやん?俺はその相手が香織と知香ちゃんやったわけやけど…』






なぁ聖夜?



あたし、幸せやったよ。



ほんの一瞬でもあたしを好きでいてくれた、あの時間や記憶があればあたしはもう一人でも大丈夫。




『偶然も運命やし運命も偶然やと思う。始めっから出会う運命やってん俺も知香ちゃんも。俺には知香ちゃんとの時間は空白やけど知香ちゃんの頭にはずっと消えることなく残っていくと思うねん。でもこれも何か意味があるんやと思う。俺の記憶もふとした瞬間に突然戻るかもしらんやん?』





意味のある出会いならば…どんな意味をもつ出会いだったんだろう。




聖夜を心底好きになって…


そして、たくさんのその思い出をあたしは一人でもち続けていくん?





“二人”の思い出をあたし“一人”で…。
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