Rain 2
『何言ってんのよ。散々あたしのこと傷つけてきたくせに。自分勝手なこと言わんといて…そうゆうの迷惑やねん』




言葉に嘘を並べてた。



聖夜にキツイ言葉をかけることであたしは自分を守ってた。







『だいたいあんた最悪やねん。お父さんそっくりやしあたしの一番嫌いな女と付き合ってって時点で最低やってん。別にあんたのことほんまに好きやったわけちゃうからな…』



『ちょ…知香ちゃ…』



『前の女が香織って分かったからあたしはあんたを自分のものにしたかっただけやし。別に聖夜じゃなくてもよかってん。勘違いせんといてな』





心がちぎれそうだった。



好きな相手にひどい偽りの言葉をぶつける気持ち…

分かりますか?





こうでもしなければ…


嫌われなければ…


また聖夜を苦しめてしまうから…






もう解放してあげたかった。



ドロドロになった黒い道から…。



嘘をついて嫌われてもいい。



あたしが悪者になるぐらい平気だった。



あたしにはそれが似合ってる。



ずっとずっとそうやったもん…
< 183 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop