Rain 2
フラフラしながらもトイレに行って戻る途中、夜だというのに廊下の奥から声が聞こえてきた。




誰…?




少しずつ近づくにつれて、その声が誰のものなのかが分かった。



聖夜と千春さんの声だった。




あたしは悪いとは思いながら、見えないように隠れて盗み聞きをしてた。





『俺が全部悪いんです…こんなことになって知香ちゃんめっちゃ傷ついてると思うし』




あたしの…話?




『そうやね…。私も知り合って間もないけど知香ちゃんの抱えてきた環境とか気持ちを考えると…今はすごい辛いと思う』




やっぱり…あたしの話や…




『俺…どうしたらいいですか?知香ちゃんはもういいからって言ってきて…でもそんなんあかんと思いません?』



『それは……自分で決めるしかないんじゃないかな?人に聞いて決める問題じゃないからね』





やっぱり聖夜はあたしのせいでまた悩むことになってしまってた。




ほんまあかんな…あたし。



聖夜のことまた苦しめてる。
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