Rain 2
『知香待ってや!』




あたしは一瞬心臓が止まるかと思った。






知香って…



聖夜今知香って…



呼んだやんな?





もう立ち止まらないと決めたはずが、あたしの足は止まっていた。






振り返ると聖夜は少し離れたところからあたしをジッと見てた。









『思い出した…俺全部思い出してん』



『えっ…?』



『知香のことも今までのことも全部思い出した。知香も香織も…俺にはどっちかなんて選ばれへんかった。俺…誰も好きになる資格なんかないわ。ごめんな知香…傷つけてばっかで…ごめんな…ちゃんと幸せになれよ!』






なぁ…


だったら教えてや…


あたしが幸せになれる方法。




あんたなしで幸せなんてなれんの?
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