Rain 2
《ザー》



…手術当日の朝、あたしは雨の音で目を覚ました。


嫌な目覚めだった。


窓の外は土砂降り。


雨は思いっきり音を立てながら降り続いている。



大阪府南部には大雨洪水警報が出るくらいひどいらしかった。



とにかく嫌な雰囲気だった。




しばらくすると千春さんが病室に来た。


朝の検温と一応体調の問診をしにきていた。



今日は全身麻酔をするから昨日の夕食以降は飲み物も食べ物も一切だめで、そのせいかいつもよりやけに喉がかわいていた。


なんか胃にものが入ってると手術中に危険らしくて、絶対に何も口にしたらだめだよと念をおされた。




あぁ…なんか飲みたい…。



いつもは思わないのにのどが渇いて仕方なかった。


人間の心理なんだろうね。



禁止されたりだめだって言われてることがムショーにしたくなる。
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