Rain 2
『聖夜…は?聖夜おらんの?まだ来てないん?』


二人はそう聞いたあたしを見て戸惑っていた。



『まだ来てないんちゃうか?なぁ?りぃ』


『うん…』



ぎこちない雰囲気が伝わってくる。


何かを隠しているような気がした。





『そっか…目覚まして一番に見た奴があんたらとは(笑)また気失うわ』


『おいおい!』



ちょっとだけ空気がなごみ、あたし達は笑った。




『なぁ、それより手術成功したん?』


『あぁ。とりあえずはって言ってたよ。後は経過次第やってさ。正常な白血球の数が増えたら大丈夫らしいよ』


『そっか…よかった』




(コンコンッ)

その時───
ドアがノックされた。



聖夜だと思った。





でも病室に入ってきたのは聖夜ではなく京子だった。


あたしはびっくりしてとび起きた。




京子が来るなんて思ってもみなかったから。
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