Rain 2
『どうゆうこと?』


京子があたしを見てそう言った。



『聖夜…来てるんやろ?ここには来てないけどあの子のとこにおるんやろ?』



陸とりぃは黙ったままだった。


あたしも…それ以上は何も言えなかった。





『陸?あんたなんか言いーや。違うやろ?なぁなんとか言いーや!』



京子の声が病室に響いた。


京子は少し震えているように見えた。


強く握ったままの拳が…震えてた。






『知香…もう別れ…ここまでしてこんなに知香は自分を苦しめたのに…聖夜くん手術前も終わってからも…むこうにつきっきりやねんで…』



りぃがあたしに言った。


『え…』





聞きたくなかった。


まさか本当に聖夜があたしを裏切ったなんて…。



あたしは自分が壊れていくのが分かった。



心が音をたてて崩れていく…



信じたくなかった。



もう…
めちゃくちゃだった…
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