Rain 2
『あのね、炎症もひどかったし卵管にも負担がかったみたいで、排卵が今までみたいに正常に働くかが分からなくなったみたいで…』


『どういう意味?』


『だから…もしかしたら妊娠しなくくなったかもしれない…』


『嘘…でしょ…』


『ま…まだ確実にそうと決まったわけじゃないから…。もしかしたら大丈夫かもしれないし』





あたしは頭の中が真っ白になった。



ありえへん…

もし排卵がうまくいかなければ子供ができないってことやん…

精子と出会うための卵子がうまく出てこなかったら…

子供はできにくくなるやん…





『ごめんな千春さん…こんなこと言わせて…。もういいから出て行って…あたしは大丈夫やから…』


あたしがそう言うと、千春さんは足取りが重いまま病室を出て行った。




あたしは声を押し殺して泣いた。


ただずっと布団をかぶったまま…何時間も泣き続けた。
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