ボクの涙がキミの翼になる。
〜第三章・奥にあるキモチ〜

支配者

「ただいま…」
家…束縛されるのが嫌いな俺にとって最悪の空間。いつもの様に母が出迎える。
「お帰り。アンタ最近帰るの遅いわね。」
「あぁ、部活に参加してる」
俺がそう言うと、母は呆れた声でこう言った。
「何回言わせるのよ。ウチには部費なんて払えないんだから早く辞めてしまいなさい」
わが家には父親がいない。母、祖母、姉、そして俺の四人で暮らしている。女手一つ、というやつだ。その為昔から金銭的には苦労している。
「うるせーな、わかってるよ…」
と、捨て台詞を残し、夕飯を受け取ると俺は自分の部屋に向かった。
部屋に着くと、俺は夕食をとりながら小学校の卒業アルバムを開いた。みんな楽しそうだ。どれを見ても笑顔に満ちている。だが、俺の笑顔はどこにも見当たらない。服はボロボロ、髪の毛は左右の長さが違う。貧乏を絵に描いたような姿だ。そのせいでイジメられたり、辛く悲しい思いを沢山して来た。
「どうせ今回もダメなんだろうな」
そんな事を考えながら俺は寝床に着いた。
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