ノンシュガーに夢中





***




暁は今まで見たことのないくらいに集中して、手元にある本に目を走らせる。




…やべぇかなり暇。


読もうと思っていた本は全部読み終わってしまったし、じゃあ暁に構おうかと思ったら




予想外に暁が叔母さんの小説にハマりすぎた。




(うーん…)



ハマりすぎだろ暁。





俺のベッドの上で壁に背を付け体育座りをしながら本を読む暁は、完全に俺のことなんか忘れている。


絶対。




だって俺の呼び掛けに一切応えないし、ページを捲る指は止まらない。




…いや、うん。


いいんだけどね。


暁が本にハマんのは滅多にないことだし、すごい良いこと…だと思う、けどね。





でも…




「…。」


「…ふふっ……っえ!……むふふっっ…」



本を読みながら変な声を出すのはやめてほしい。



それに、あまりに暇すぎる。






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