モノクロの音色よ鮮やかに響け

5、七光と七闇

川畑が入院している間、私は毎日病院に通った。
必要な物を買ったり、館まで取りに行ったり、洗濯したりと、やる事は沢山あった。

キッチンの惨劇の片付けもして、血のついたリンゴを見つけた。
あんなに上手に剥いてたのに、考え事でもしていたのだろうか…。

慣れてるハズの事が、一瞬で大惨事になりかねないのだ。
そう思うと、慣れない病院での生活は不安だった。

川畑は食事をするにもトイレに行くにも大変そうで、私が居る間はフォロー出来るし目が届く事で安心出来た。

本来は頼んでない日も足げく通う私に川畑は、来るなら時間外で請求するように言ったが、私は仕事で行く日以外は自分が自由にお見舞いに行きたくて行ってるつもりで、大滝さんには言わなかった。

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