モノクロの音色よ鮮やかに響け

4、歓迎されてる!?

川畑は舌打ちをしながらテーブルに手を伸ばすと、時計の上のボタンを押した。

『午前―9時―26分』

機械的な音声で時刻が読まれた。
変わった時計とは思っていたが、目が見えなくても時間がわかるようになっているのだ。

デジタル時計のような近代的デザインでありながら、針はアナログで、普通はついてる保護カバーがなく、時計の針が剥き出しになっている。
針に触れる事でも時間がわかるようになっているようだ。

私は、なるほど…と感心した。
この家には、川畑が言う
『俺が俺らしく生きる為』の工夫が他にもあるに違いない。
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