Tricksters




所長は、肩をトントン叩きながら「ハハハっ」と乾いた笑い声をあげた。



「確かに、あの人のステッキの話は傑作だよな。人の涙と同情を上手く誘う」


俺的ニッコリは、もう引き出しにしまいこんだ。

コイツには、ニッコリなんて絶対しねーし!




「城田部長は、あの話でキャバクラ行くと女の子引き寄せんのが上手いんだよ。

あっ、今夜あたり淳一も一緒に行くか? 城田部長と行くと、楽しいぞーっ♪」


「適当なこといってんじゃねーよ。人類皆自分と同類と思うんじゃねーよ」


城田部長が、キャバ嬢口説いてる姿なんか想像できねーよ!

すみません、すみませんて言いながら謝ってる姿なら想像できるけどな!




「ゴッホォン!」



ユカリさんが大袈裟すぎる咳払いをすると、ヒールの靴で一気に所長の爪先を踏みつけた。


ナイスユカリさん!





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