Tricksters
さっきのキャリアウーマンな女は、両手を軽くあげて外人みたいに惚けたジェスチャーをした。
「面白そうね。
ゼン所長のアイディアは、私たち企画部皆の頭脳を軽く越えてるわ。
企画部が徹夜で考えたアイディアを一瞬で覆すのね?」
「そんなことないだろ。内藤部長
"びっくりもっぷ"という面白い企画があってこそだ。それを考えたのは企画部諸君だ」
「あら~
鼻から花が出たときは、『鼻から花が出ちゃロマンチックじゃないだろ』って激怒してたのに、今日はずいぶん下手に出たわね」
内藤部長は、クスクス笑った。
ひょっとして……
この女もあれか?
所長の両腕両脚に抱いても、まだ余る女の一人か?
だけど、女に緩いはずの所長が何故か内藤部長には冷たい。
「その話、まだ根に持ってんのかよ。
売れたんだから、俺が間違ってたんだよ。
文句があるなら、後で聞いてやるから会議を続けよう」
所長の冷たい声と態度に、内藤部長以外の人間はシンと静まり返った。
内藤部長だけは、クスッと笑って勝ち誇った顔をした。