Tricksters


「女の子待たせるんじゃねーよ。淳一

はやく行ってやれよ」


「え?」


李花?


「ユカリさん、でたんすか?」


「ええ、だって二回もピンポーンて呼ぶから気になって」


マジカヨ!?

慌てて飛び起きて、足の小指を壁に強打した。



ざけんな!

なんで、こんな広いマンションで小指ぶつけんだよ!


やたらと長い廊下を、二日酔いの頭を抱えてダッシュする。


「李花!」


李花の大好きなティーンズ雑誌から、そのまま抜け出してきたような可愛い格好をして

李花は、マンションの玄関でしたくちびる噛み締めて涙ぐむ。
< 95 / 305 >

この作品をシェア

pagetop