【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
途中廊下でいずちゃんに思いっきりぶつかったが、振り向きもせず走った。


早く出なきゃ!


ここにいたらダメ!


あの雪の日と同じ感覚が私を襲う。


と言うよりも、あの時の自分に戻っていた。


玄関に立っていた山本に何か怒鳴られたが、必死すぎてさっぱり覚えていない。


軽く揉み合いになりながらも、私は施設を出て走り続けた。


行く当てなんかない。


どこへ行くなんて考えてもいない。


とにかく遠くに…。


それだけを考えながら走っていた。
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