割れた砂時計


『亜実……今年も、来年も……ずっと一緒だからな』


「うん、もちろん!」


そう言って私はめずらしく、自分からキスをした。
照れて、はにかんでいた。


前の、はにかみとは違うけれど。


精一杯、笑って嘘をつきました。









―――――――唯が利樹に事を話す前に、
利樹はなんとなく気づいていました。


勘がいいのか、何なのか。
わからないけれど。


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