割れた砂時計
実行


終わらせるために。戻すために。
私は俊の独り暮らしの家に向かった。





『待ってたよ……もう、どこにも行かせない。ずっと一緒だから』


もう、本当に狂っている。
瞳が、完全におかしい。
あのまっすぐに私を見ていた瞳とは比べられない。


サッカーをがんばるあなたを。
無邪気でかわいいあなたを愛しているから。


戻ってほしいから


だから私は、
今のあなたにとって、最悪の状況になる言葉を、
告げたのです。


< 120 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop