闇を纏う(恋愛ミステリ)

2

― 振り切れた・・・と思う


純は家の近くの公園で、息を弾ませながら膝に手をついていた

家まで行くのは怖かった
もし後を尾けられていたら・・・





― 振り切れた?
ふと我に返る

無我夢中で逃げてきたけど、あの男が追ってきている様な感じはしなかった



あの鋭い目つきの男



目が合った瞬間、本能的に逃げてしまう程、威圧感のある視線



純はゾクッとした

(あたし・・・殺人現場見ちゃったんだ)

銃口から薄く煙が昇っていた
黒髪のあの男・・・あの男が殺した







― 純は訳もなく泣き出していた
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