太陽のキセキ


だが


「誰もいないの?だったら指名するわよ?」


可哀相に・・・

心吾、透明人間化してやがる。

だがそれを突っ込む勇気のあるやつはいないだろう。


「さ、早苗ちゃん!?俺ここにいるよ?手を挙げてるんだよ?」


早苗に縋(スガ)り付く心吾。

なんか胸打たれる光景だ。


「ちょっと触(サワ)らないで!!気持ち悪い。」


「俺ネタいっぱい持ってるよ!!」


「そんなことどうだっていいのよッ!!」


一斉にクラス中のため息が零(コボ)れる。

ギャーギャー言って、何も決まらぬまま4限目のチャイムが響き渡ったのだった。


ひそかに涼と美術部の田中ちゃんによって黒板が華やかになっているのに気づいたのはもう少し後のこと。


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