可愛くない同居人。

凛は細くて長い綺麗な指でそっと私の涙をぬぐった。


そして、柔らかく微笑み、優しく髪を撫でた。


「仕返し完了です」


そう言ってまた顔を近づけてきた。


またやられる!



慌てて目を閉じると、唇に一瞬触れ、すぐに離れた。



「もうしませんよ」


クスクスと笑いながら、凛は私の体をゆっくりと抱き起こした。




「続きはまた今度」




甘い声でそう言われ、私の顔はさらに赤くなった。
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