想い
美咲の想い
ウザイ位に眩しい太陽。
ふと窓の外を見れば、夏の暑さより暑苦しいカップル。
なぜ夏になると、こうもカップルが目につくのだろう。
理由は簡単。花火に夏祭り、海にバーベキューにプール。
夏は、カップルのためのイベントであふれてる。
「ばかみたい…」
彼氏いない歴1ヶ月目の私には、この夏が嫌がらせにすら思える。
「さて、仕事でも行くか。」
最近一人暮らしを初めてからとゆうもの、一人言がふえてしかたがない。
ほんの1ヶ月前までは、
「行ってらっしゃい。」
と優しい声が返ってきてたのに…。
元カレとは、同棲していた。
優しくて、人を笑わすのに一生懸命で、でもちょっとワガママで。
美咲とゆう名前を、誰よりも気に入ってくれていたのも彼だった。
人生に美しい花が咲きますように
と、ゆう意味で付けられた名前。
「花さかないし…」
いや、一瞬咲きかけてはいた。
でもその花は満開になる前にちってしまった。
今でも捨てられずにいる、お揃いの歯ブラシをボーっと、ながめていた。
はっ、と気づき時計をみると、かなりのタイムロスをしている。
「あっ!ヤバイ!!遅刻しちゃう!!」
私は慌てるように、玄関を飛び出した。
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