くちばしにチェリー
いや、確かにフツーじゃないなとは思ってたよ?

この圧倒的で妖艶な美貌といい、何と言い、フツーじゃないと思った。

どれをとっても彼は他の人と違うなって思ったよ?

でも、でも、でも……ヘタを食べるって、ドウイウコトデスカ!?

ポカーンと口を開け、マヌケな顔をさらしている私に、Mは得意そうに笑う。

いやいや、笑うな。

笑うところではないよ。

そう思っていたら、Mはあかんべーをするように舌を私の前に出した。

「………あっ」

舌のうえには、結ばれているさくらんぼのヘタ………で?

Mは妖艶に微笑んだ後、結ばれたさくらんぼのヘタを皿のうえに置いた。
< 32 / 50 >

この作品をシェア

pagetop