最低王子と小悪魔女
 にしても、たとえ弓先輩――キャプテンが不在だったとしても、
 『フリースロー対決するんでコート貸してください』、なんてのにOK出しちゃいかんだろ。
 そう思うのはあたしだけか?


「じゃ、立会人は俺らがするってことで……そっちの子はここの特等席に座って見学な」

「えっ!?……は、はい」


 急に手招きされて、あたしは焦って返事する。

 視線を集めてるのは、嫌ってほどよくわかる。
 中城先輩をはじめ、男バスや女バス部員、ドアというドアにへばりついたギャラリー。

 ……やっぱり止めておけばよかった。
 あたしはまた後悔した。

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