手の平から


運ばれた料理はどれもすごく美味しかった。





「いないよ。さっきの香奈ちゃんの質問の答え。今はいない。」



唐突に相沢が言った言葉に私はスプーンを口に運ぶ手を止めた。







相沢には好きな人が今いない。
心臓が冷たい手で触られた感覚がした。
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