手の平から

パチッ

と電気を消され教室が黒一色に包まれた。
ただぼんやりとスクリーンに光が映し出される。




教室が暗くなる前の一瞬。
電気が消える前の本当にその一瞬。
相沢がこちらに振り返った気がした。
私と相沢の視線が交わった気がした。



頬杖を付いて気づいた。




私はまた泣いてた。
あの時、涙が枯れるほど泣いたのに。
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