総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
プロローグ
満月をバックに片手を、

ポケットに突っ込みダルそうに

立つ男。

「ぐっ、調子に・・・のりやがって・・・」

「俺らに勝つんじゃなかったのー?」

隣にいた、赤い髪の男がタバコを

ふかしながら問う。

「俺とヒサだけでよかったねー。あいつらもいたらお前、今頃死んでるよ?」

低く唸るような声で男は言う。

狭い路地裏での出来事。

何人もの男が倒れている中で

首謀者であろう男が目の前の二人を、

地面に這いつくばりながら睨みつける。

男は意識を手放しかけていた。

その男が最後に見たもの。
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