はるかちゃんと 畳ヶ池の 河童
『何をしてたか?ゴミ拾いじゃよ。ほら見てみなさい?この汚い水を、たくさんのゴミを…わしたち河童は、汚い水では生きられんのだ…汚い水に入ったら死んでしまうんじゃよ?お嬢ちゃんたち人間が、川や、池を、汚し続けてきたから、わしたちは年々住む場所を追われ、次第に河童の数も少なくなってしまったんだ…
今では、他の仲間がいるのかさえ解らん。
わしは、お嬢ちゃんたちの何倍も、この畳ヶ池で生きてきた。
この池を守ってきたんじゃよ。
昔のように魚がいっぱいいて、夏になれば、子供たちが遊びにこれるような池に戻すんじゃ!これからもこの畳ヶ池を、わしが人間たちから守らねばならんのじゃ。』
『かっちゃん!水が汚いと、なんで住めなくなるの?』 
『うむ。いいかいお嬢ちゃんたち?ゴミが浮いているお風呂に入れるかい?汚い、臭い水が水道のジャクチから出て来たら、それを飲めるかい?飲めないじゃろう?水が大切なのは、お嬢ちゃんたち人間だけじゃないんじゃよ?生きる物みんな同じなんじゃよ』
『そーだよね。汚いお風呂には入れないし、臭くて汚いお水も飲みたくないよ…お腹痛くなっちゃう。』
『わかったのなら、せめてお嬢ちゃんたちだけでも…川、池、海、この地球を汚すでないよ?さぁお家に帰りなさい?』
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