【続編】長男のカゴ
留宇さんと話してスッキリしたはずだったのに…。



心にまたモヤモヤ…。



釣り合ってない…あたし達…。



「岩崎様」

「はい…?」

「善様をどう思っていますか?」



近野さんにそう聞かれたのは善が散歩してくるとか言って家を出てった時。



近野さんが飲みかけのコーヒーをコトッと置いた。



「どうって?」

「一度、岩崎様のお気持ちが聞きたいと思いまして」

「善のことは…どうなんでしょうね?あたしは…舞い上がってただけかもしれないです…」

「そうですか。ならば早々に手をお引きになってください」

「えっ…?」

「あなたが頑張ると言うならば、私は力を貸します。善様に相応しい方になるための努力ならば是非やっていただきたい」

「相応しくなる努力…?」

「藤間の後継者候補、善様のお隣に立つならばそれなりの覚悟が必要ですので」



あたしにそんな覚悟…あるんだろうか…。



人間的に善は大好きだ。



でも…正直迷ってしまってるみたい…。



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